倫理(高校の課程でどうなるか) |
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2023年 09月 26日
全国の毒舌ファンの皆様 おはようございます。Tommyセンセです。
ということで、イベントや事務仕事がぐっと減り、授業に集中できる「勉強の秋」が始まっている(3年生の場合) 今年は、授業が3年生だけなので、現代社会演習という名の「政治経済」と選択者11人の「倫理」だけだ。 授業&勉強のターゲットは1月の“共通テスト”なので、あと109日らしい。 現代社会(政治経済)と倫理は同じように4月からスタートし、現代社会(政治経済)の方は、あと109日の間に授業か終わるかどうか、いつも不安なままどうにか進んでいるのに対し、一方の倫理は、もう少しで授業が終わる。あと100日を残して演習に進むことになりそうだ。 あくまでも「共通テストレベル」という大前提があるのだが、高校倫理って簡単である。 政治経済は、共通テスト必修用語が300個、日本史が7000個、世界史が6000個、といわれているのに対し、「高校倫理」は人物として144人。必須な語句は1000個に満たない。しかも、この頃は思考力やら判断力などが学習の肝心だと言われているので、細かな哲学者の著作をとうような「重箱の隅問題」は絶対に出題されない。 したがって、倫理に限って言えば、家庭での勉強もほとんどなく、授業だけで共通テストを迎えても、楽に75点は見込まれる。 共通テストにおいては、文理問わず、75点をとれば(200点科目では150点)、普通に普通の国立大学には合格する。(675点/900点) もちろん、文系においては、第2解答科目なので、勉強量で第一解答科目(世界史や日本史)を越えてはいけないのだがら、「政治経済」でも「倫理」でも、、究極の目的は、「最小時間の最大点数」であり、それをかなえる科目はズバリ「倫理」である。 この倫理の簡単さ故に、大学入試センターは、10年くらい前に、「倫理・政経」という合体科目を創り出した。半分が政治経済で半分が倫理という出題だ。これで、政治経済と倫理は、数倍に難易度が上がり、難関国立大学を目指す受験生は、「倫理・政経」という合体科目に縛られていった。 同じ100点満点で、「日本史」「世界史」がある中で、「倫理・政経」でやっと一人前でしょ。という理屈だ。 ところが、この「倫理・政経」という科目が、2025年入試(新課程、現行2年生)からなくなる。 公民の科目から、ずばっと落とされた。 公民科目は、「公共、政治経済」と「公共、倫理」の2科目となった。 素人目に見ると、「公共」が加わったから“勉強すべき科目が増えて大変だ”と思われるが、逆説的に見れば、「公共」とは“それ単体で100点満点のテストが作成できない教科”である。それ以前の「現代社会」は現代社会単体で100点満点のテストが作成できた。つまり、「公共」って教科は中身がない。 この共通テストだが、「情報Ⅰ」新設されたり、国語の時間数が増えたり、数学ⅡBn分野が増えたりしてかなり難しくなったと宣伝されているが、こと、「地歴公民」に限っていえば、むしろ簡単になっている。 文系では「倫理・政経」が落とされ、理系では、「B科目縛り」(世界史Bか日本史Bか地理Bを受験しないと、出願できない大学があるということ。旧帝大は全部そう) がなくなった。 教えているワタシが言うのだから、間違いないぞ。 新課程の共通テスト(現行2年生から)で、地歴公民で一番点を取りやすいのは「公共・倫理」である。 もちろん、大命題の「最小時間数の最大点数」中においてであって、むしろ、満点をとれる科目としては、「世界史」や「日本史」や「地理」の方が取り組みやすい。あくまでも、「75点から80点」を目指すというレベルにおいては、「公共・倫理」が一番楽だ。 しかし、我が校では、来年度の「倫理選択者」がゼロ人である。なぜか?それは、ワタシが定年を迎えることで来年から「倫理」を教える人間がいなくなるからだ。これは、我が校だけでなく全国的な傾向であって、「政治経済」を教えることのできる先生は数え切れないほど存在するが、「倫理」を教えることの出来る先生は極々少数である。これは、大学の学部・学科構成からも容易に推測でき、「政治s経済」を研究する学部学科は、「法学部」「経済学部」などであって、対する「倫理」は、「文学部哲学科」のみである。 ワタシは今年で定年退職を迎えるが、高校の教育現場では、情報の先生を育成したり探し出したりするのと同じく、「倫理」を教えることのできる先生を探し出すか、創り出すことが急務である。(だって、倫理は点がとれるから) 今から10年前、旧帝大受験レベルでは、「倫理・政経」が必修になった。 ワタシは、その当該学年の学年主任をしていた(45歳から48歳)ので、覚悟をもって1年次から準備をしていた。その当時から、自作教材『倫理大事典』を作り、知り得た知識、逸話、キーワードを生徒と一緒に共有財産(教材)として使った。実は、この「倫理・政経」必修化の初年度に、当時の勤務校で、“旧帝大以上合格65名(現役)”というおばけ数字が生まれたのだ。(文系で旧帝大以上の合格者が激増した) 今、倫理教材として使っている『RINXILE(リンザイル、あのダンス&ボーカルユニットEXILEにTommyセンセが加わり、倫理の楽曲を奏でるという設定)』も、あの10年前に作った『倫理大事典』の発展版だ。 ワタシは、副島隆彦先生を通じ、小室直樹先生の文章をよく読んでいたし、もともと宗教分野はかなり興味がありコツコツと読書を続けていたので、残りは「西洋哲学」だけだったから割と簡単に教材研究ができたけれど、倫理をゼロから極めるってかなり大変なのだ。 でもね、「公民科」の教師を目指し、それで食べていこうとするならば、一生涯に一度、「倫理」を徹底的に勉強して「教えられるレベル」にまで経験値を上げておくべきだ。そうすると、受験校でひっぱりだこだよ。 (倫理の教材が欲しい、若手教員の皆様。おしげもなくあげます)
by tommyjhon
| 2023-09-26 05:38
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