今日は卒業式だけれど、コロナ続報4 |
保健省はまた、これまで中国のみだった渡航延期勧告の対象に、日本、韓国、イタリア、イランの4カ国の感染者発生地域を加えた。日本などからの入国者は特別カウンターで健康状態が検査される。
同センターは男性の立ち寄り先を「大阪」と説明しており、大阪市か大阪府かは明らかでない。同府内では27日までに2人の感染が確認された。
この男性は17~22日にほかの22人とともに団体旅行で大阪を訪れた。25日からせきなどの症状を訴え、28日に感染が確認された。
台湾当局は日本の感染症渡航情報のレベルを「2」(警戒)と定め、台湾からの旅行者に現地での感染防止策の強化を求めている。日本から台湾への渡航者には入境後14日間の「自主健康管理」措置を課している。毎日の体温測定、外出時のマスク着用、公共の場への立ち入り自粛を求める内容だ。
一方、中国(香港・マカオ含む)と韓国からの入境者には原則として14日間、滞在先からの外出を禁止している。
米国の覇権放棄は、今回のウイルス危機に対する日本政府の対応にも表出している。戦後の日本は国家の「安全保障」に関する重要な政策や意思決定をすべて「お上」である米国に委ねる強度な対米従属策をとってきた。だが冷戦後、米国は日本(などあらゆる同盟諸国)に頼られることを嫌う傾向を強め、トランプ政権になってからそれが加速した。そんな中で、世界各国の安全保障の重大事である今回のウイルス危機が起きた。この危機が、以前の対米従属の体制下で起きていたら、米政府が日本のウイルス対策の基本方針も裏で作ってくれて、日本の政府や官僚はそれに沿って動くだけの「小役人」で十分だった。横浜のクルーズ船は米国の船会社なのだから、米政府が指揮して対策してくれたはずだ。 (対米従属と冷戦構造が崩れる日本周辺)
しかし、今のトランプの米政府は同盟諸国に非常に冷淡に接する覇権放棄策を採っているので、日本に対して何も指導せず、クルーズ船の対策でも船会社が米国なのに動かず、日本政府のやり方が全くダメだとわかってから、批判したり、米国人を帰国させたりする他人行儀な策に終始した。国家安全の重大事に際し、米国(お上)が主導してくれることで政府内の結束を作る仕掛けになっていた日本では、米国が何もしてくれないので、無策なだけでなく政府内の結束すらとれず、ウイルス対策は見事に失敗し続けている。日本政府が動かないので、ウイルスへの具体的な対策の多くは都道府県に丸投げされている。クルーズ船から下船した感染者の搬送先や搬送手段を手配したのは、日本政府でなく神奈川県だった。 (政府のクルーズ船対応に神奈川県知事が苦言「国が仕切るのが筋」) (まだ続き危険が増す日本の対米従属)
有事の際に権力者の指導力への依存が強まるのはどこの国でも同じだが、日本の最高権力者(お上)は米国政府なので、今回のような有事に米国が動いてくれないと、日本政府は指導者不在のまま、完全な機能不全に陥ってしまう。安倍など歴代の首相は、日本の指導者でなく、米国の下につく「中間管理職=小役人」である。小役人国家である日本の特徴が露呈したのが今回の危機だ。 (Japan, U.S. hail security pact which Trump branded unfair)
今回のことを教訓に、もう米国は日本の指導役(お上)でないのだ、ということに日本の上層部が気づき、米国に頼らず日本国内で完結する権力構造や危機管理体制を作ることが必要だ。しかしまだ日本では上層部から国民までの多くが、米国の覇権喪失や、対米従属策の不能性に気づいていない。早く気づけば、これから改善していける。だが今のように、人々が「日本政府はダメだ」というばかりでなぜダメなのか考えない状態が続くと、日本は失敗を繰り返すばかりで改善できず、国や社会の力が浪費されていく。中国との国力逆転がひどくなり、アジアの地域覇権国である中国の属国になっていく。安倍が習近平の訪日を強く実現したがっているのは、その流れだ。 (Risks to the Japan-China 'Tactical Detente')