裁量労働制を分かりやすく |
制作現場の社員達には専門業務型裁量労働制が適用されていた(私は法務室勤務だったので,私には適用されていない)。
で,実際にその社員たちに裁量があったかというと・・・
あるわけねえだろ。
だいたい,裁量労働制なのだから「遅刻」とか「早退」という概念自体存在しないはずなのだが,遅刻した社員は思いっきり注意されていた。
仕事が多いが,人員は全然足りない。
そんな状況で「仕事が終わったから早く帰ります」とか「昨日終電まで頑張ったから今日は午後から出社」なんて言えると思ってんの。無理だから。
会社は1年目の新卒社員にも専門業務型裁量労働制を容赦なく適用していたが,新卒社員が「私裁量労働制なんでもう帰ります!」とか言えるわけが無い。
「裁量労働制は労働者にもメリットがある」とのたまう輩は一年間ぐらい裁量労働制を採用している職場で働いてみろと言いたい。
そこにあるのは「残業代」というブレーキが外され,「定額働かせ放題」状態となった結果,「長時間労働地獄」と化した職場である。
<貼り付け終わり>
という風になるのが目に見えています。
お次は、「使用者」と「被用者」の立場の違いを鮮明にした解説。
ここでは、このように解説されています。
<貼り付け>
労働者は、使用者から下る業務命令を遂行することで労務を提供します。
すなわち、
①使用者から「これをやれ」と命令がなされる
②労働者はそれを遂行する
③労働者は仕事の結果を使用者へ渡す
これが労働者のお仕事サイクルです。
このうち、②だけに裁量がある制度ということです。
そうです。①には労働者に裁量はないのです。
これは、要するに、業務量については労働者には裁量がないということを意味します。
したがって、次のような現象が起きます。
('◇')ゞ「仕事終わったんで、定時前だけど帰ります!」
( ゜Д゜)「もう終わったの?じゃあ、次はこれやって」
( ;∀;)「え?でも・・・裁量労働なんで・・・」
( ゜Д゜)「あ、そう。業務命令を断るんだ。へー。」
(*_*)「やりますよ・・・」
ほかにも、
( ゜Д゜)「おまえたちは、裁量労働制だ。好きなときに帰れるぞ」
(*´▽`*)「わーい」
( ゜Д゜)「ただし、俺が与えた仕事を全部終わらせてからだがな」( ;∀;)「えーん」
つまり、裁量労働制というのは、働く時間は労働者の裁量に任されるが、業務の内容は使用者が決める。
という、まったく“仕事の主体”(つまり、文章の主語にあたる)がズレている制度となります。
では、最後に、裁量労働制の犠牲者のはどうなるのか?
ここで注目すべきは、労働基準監督署の対応。
<コピッペ>
「(裁量労働で働く人は)長時間労働になって死にそうになっている。だいたい精神疾患を抱えて、悪い場合は死の寸前まで行くような深刻な事態。ところが労基署に行くと“ 証拠がない ” と言われる」。
<コピッペ終了>
つまり,
裁量労働制は、労働者の裁量だから、使用者は労働時間を管理する必要はない!!!!!
ことになります。
しかも、労働者を守るべき、労働基準監督署の役割についても、
<コピッペ>
「困っている人はどうしたらいいですか? どうやったら労基署は指導してくれるんですか?」
返答に窮した厚労省は、聞き苦しい言い訳をした。「さまざまな情報を監督署の方にお寄せ頂いて、それを監督署の方も点検して・・・」
企業が労働者を死ぬまで働かせても、罪には問われない。経団連にとって夢のような法案は、国会に提出されれば、可決成立する。
<コピッペ終了>
となります。
ワタシは何で日本の有権者が安倍晋三をここまで支持するのか?全く理解出来ません。
そういえば、大学生の半分以上が一日の活字を読む時間数が0分だった。というニュースが流れましたが、出版業界は、労働に関しては日本一のブラック企業。
日本人は、出版業界にやんわりと警鐘をならしているのかも?