全国の毒舌ファンの皆さまおはようございます。Tommyセンセです。
ということで、本日は、AL(アクティブラーニング)の研究授業。お題は、「『忘れ去られる権利』を法制化しよう!」という名の人権教育です。
今までの人権教育の大雑把な流れは、
①様々な差別がある これを直視しよう。
②様々な人権侵害がある。これを直視しよう
③様々な違憲判決がある、これを覚えよう。
④新しい人権が登場した、これを覚えよう!「プライバシーの権利」「知る権利」「自己決定権」・・・・・
と言う感じですよね。
ここに一石投じます。
世の中の人権は、IT社会の発展とともに加速度的に適用範囲が広がっています。「個人情報保護法」というのは、民間で個人情報を所有している業者や機関を規制するものであり、「プロバイダ責任制限法」はプロバイダの責任をなくすための法です。一度、検索エンジン(グーグルやヤフーなど)にヒットされ、過去の暗い履歴が残っていた場合。その当事者がいくら更生しても、その履歴が残り続ける場合があります。これらを当事者側に立って主張した権利が「忘れ去られる権利」です。もっと大きい範疇でいえば、「人格権」となりましょうか?
さあ、こういう新たに主張された権利は、それが正当なものであったなら、法制化できる可能性があります。たかだか高校1年生という年齢で、“法制化”をする場合は、どのように取り組めばいいのだろうかを考える授業です。
昨日の授業では、取り掛かりが難しいので、相当頭を捻っていました。
今日は、グループの作業として、「法案骨子の組み合わせ」「法案骨子の整合性点検」「発表」を行います。
そして、実体験をして、「法律は、誰が誰をどのような手段で規制できるのか?」「ダレのどのような行為・人格をどのような手段で保護することができるのか?」などを考えてもらいます。
今までの、「政治経済」の授業って、ともすれば「業界用語の丸暗記」に陥ってしました。また、「人権教育」といえども、「人権の侵害」など、まともな高校生はほとんど体験していませんン。敢えて言えば、“左利きの者に対する、有形無形の差別”くらいしか体験できません。ワタシのように、警察に連行されたこともなければ、取調室で取り調べをうけたこともなければ、機動隊に体を押さえつけられて行動を阻止されたこともなければ、検事とのやりとりで調書が知らない間に出来上がっていたこともなければ、深夜に不審者扱いをうけて職務質問をうけたこともありません。
だから、遠い世界の出来事なのです。
でもでも、憲法には、「すべて国民は・・・・」と書かれていますので、すべての国民を守るには、例外中の例外な出来事でも、しっかり法律を適用できないとダメなのです。立法府はそのような仕事をしています。
さて、生徒は、立法府の当事者となって、「法案骨子」を作り上げることができるでしょうか?
普通、授業には“予定調和”があります。先生が想定する、生徒の到達点みたいなものがあって、そこに行きつくことが目標なのですが、今回は、生徒がどこにたどり着くのか?さっぱり把握していません。
出来上がった法案は、その場で公開です。ワタシも予想がつきません。S水東高校の高1生の能力がどの程度であるかも想像できません。ましてやグループワークですので、4人で力を合わせたらどのような知恵が生み出されるかも想像できません(戦隊モノの子供漫画やセーラームーンのように、5人で力を合わせると無限大になってしまうので、あえて4人グループにしてみました)
また、昨日の授業から今日の発表まで、ちょうど24時間あります。この24時間を生徒たちがどのように利用するか(もしくは全く利用しないのか)も想像できません。
今日は、“行き当たりバッタ”の展開になりそうです。
さあ、どうなるでしょうか?