ブラジルは終わっていない |
W杯はドイツの優勝で終わりました。
多くの日本人は、もうWカップブラジル大会の話はもうやめにして、何か他の楽しい話はないのかなあと検索しているところでしょう。野球か? ドラマか? 衆議院予算員会(国会閉会中でもひらくことが出来ることを初めて知った)での集団的自衛権の応酬か?
でもでも、実はブラジルW杯後のブラジルでは、日本メディアではほとんど放送しない、大きな世界のうねりが始まっているのです。
その前に、2010年開催国が南アフリカ・2014年がブラジル・2018年がロシアというこの流れでピンときますか? この3大会は、通称BRICSと呼ばれる、振興経済大国での開催なのです。世界が新しい流れに向かっている象徴なのです。
そしていよいよBRICSに変わって「G5」(ちなみに、グループのG)という言葉が使われそうです。
そもそも、1970年代に、「先進5カ国首脳会議」と言う名称で使われたG5で。もちろん仏・米・英・西独・日を指していました。それからイタリアが加わり、カナダが加わりG7に、そしてロシアが加わりG8になった。
まあ、このG8くらいで一端「世界新秩序」が形成されたと思いきや、リーマンショックから後はとうとうG20まで拡大した。その頃から、急激にクローズアップされたのがBRICSなのだが、このBRICSが「G5」=つまり「先進5カ国」を名乗りそうである。
そのBRICSの重要な会議が、ブラジルのフォルタレザというリゾート地で7/15から行われている。
<貼り付け始め>
BRICS諸国は独自の「新開発銀行」を開設する。多くの専門家らの間では、これは危機後の世界秩序を構築する方向性として大きな意味を持つ一歩だと評価されている。
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、つまりBRICS諸国の指導者らは ブラジルのフォルタレザで開催されるサミットで新開発銀行について合意を締結する。この他、BRICS参加国の金外貨準備金が急激に縮小した場合、相互援助のための外貨準備金となるプールを作る枠組み合意が結ばれる。このようにBRICSの外貨プールは中期的な将来、国際通貨基金(IMF)に代わる 存在ともなっていくと予想される。新たなストラクチャーは今あるグルーバル金融構造に対し、発展途上国の経済が影響を拡大していることを象徴するものと捉えることができる。商工会議所の会長で、BRICSビジネス会議の長をつとめるセルゲイ・カトゥイリン氏は次のように語る。
「ロシア、その他の参加国はまず20億ドルずつ出し合う。これは銀行の支払い資産となる。さらに割当資本が500億ドル。そして株式資本はおよそ1000億ドル。こうした資金はだいたい7年のうちに作られる。銀行経営は集団で行われる。銀行の最高合議機関は経営者会議。執行機関は役員会議。会頭は5年交代となる。新開発銀行はBRICS諸国だけではなく、国連加盟国であればどの国も参加することができるよう、門戸が開かれている。だが資本におけるBRICS諸国の占める割合は55%を割ることはない。銀行の活動はBRICS諸国の領域におけるインフラ・プロジェクトへの融資となる。」
BRICS開発銀行は相互コーポレーション、取引、投資の拡大のために、よい助けとなるものだ。というのもBRICS諸国グループはグローバル経済のなかで類のない位置を占めているからだ。これは世界最大の市場であり、地球上の人口の40%が暮らしている。 こうした国々は巨大な天然資源、準備の整った産業基盤、専門的人材を有し、世界の総生産の約30%を生み出している。中国人政治学者で上海国際戦略調査団体の副会長を務めるフェン・シャオレイ教授は次のように語る。
「BRICSは今深刻な挑戦に直面している。昨年BRICS経済の成長率は前年ほどめざましくはなかった。現在発展途上国はどこも一様に資本流出という問題につきあたっている。もうひとつ深刻な要因になっているのがウクライナ危機と、これのために西側により発動された対ロシア制裁だ。この状況でBRICS諸国は結びつきをより固める必要性に迫られているため、ブラジルでのサミットはグループの枠内で今後関係拡大を図る上で非常に重要な会談の場となっている。BRICSは国際金融体系の改革を実現するための新たなフォーマットにとどまらず、より広い意味で、新たな経済状況でありうる協力の方向性を話し合う場となるものだ。また新たな国際秩序を構築するための政治基盤でもある。BRICS諸国の関係強化の傾向はこの先も続くのではないだろうか。」
事実、BRICS開発銀行の開設決定は経済のみならず、政治的次元にも関わる。BRICSは多中心主義的、多文明化的国際システムというコンセプトという独自の提案を行っている。こうしたアプローチによってBRICSは多くの国々を強力に惹きつけているのだ。
続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/2014_07_15/274644428/
<貼り付け始め>
習近平国家主席は14日、ブラジルのフォルタレザで南アフリカのズマ大統領と会談を行いました。
席上、習主席は「中国と南アフリカの二国間関係は重要な発展のチャンスに恵まれており、大きな将来性がある。この勢いに乗って両国関係を新しい段階に引き上げるよう共に努力していきたい」とした上で、「ズマ大統領の下半期の中国訪問を期待している。その際、エネルギーや鉱業、農業、装備製造、インフラ施設の整備、鉄道、原子力発電などの分野で詳しい協力計画を立てたい。中国は引き続き(今年の)『南アフリカ年』イベントの主催に協力していく」と述べました。
習主席は、また「平和と発展はアフリカのテーマである。中国とアフリカは運命共同体であることから、アフリカ諸国と発展の経験を分かち合い、アフリカの平和安全活動に積極的に参与して、この地域の多国間の協力プロジェクトを推し進め、アフリカの一体化に貢献していく。中国はアフリカとの新しい形のパートナー関係を強化していきたい」と強調しました。
これに対して、ズマ大統領は「南アフリカは国の工業化と経済の多元化を加速させており、アフリカの平和と安定、発展の促進に力を入れている。中国と全面的な戦略的パートナー関係を強化し、国際問題や地域問題において交流を強め、経済貿易やエネルギーなどの分野での協力を拡大していきたい」と期待を示しました。(藍、小山)
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そして何と何と 習近平は、ブラジルから電話でオバマと話し合っている!!!!!!!!! これではどちらがNO1なのかわからない。
なんか、世界を動かす力が大きく変化していくようだ。
ちなみに、このBRICS=新G5が設立を決めた、新世界銀行の本部は上海に決まった。
BRICS開発銀の本部は上海、インドが当面総裁国=ブラジル大統領
[フォルタレザ(ブラジル) 15日 ロイター] - ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)は15日、設立するBRICS開発銀行の本部を中国の上海に置くことで合意した。
ブラジルのルセフ大統領が明らかにした。インドが当面総裁国を務める。
BRICS開発銀行の発足時点の資本金は1000億ドル。主にインフラ関連のプロジェクトに出資する。
BRICSは15日から2日間の日程でブラジルのフォルタレザで首脳会議を開いている。
もう世界の潮流が完全に変わった。このご時世に、集団的自衛権の解釈変更など、ちまちま論議をしている日本は本当にどうかしている。 もっと大きな世界情勢を見れば、「日米安保条約」こそ問題だろう。いつまでもアメリカべったりだと、大きく遅れをとるに違いない。