全国の毒舌ファンの皆様 おはようございます。Tommyセンセです。
ということで、いよいよ始まる平昌オリンピック。
このアジアで3回目の冬季オリンピック最大の問題は、競技時間である。
まず、開会式からして不自然だ。
なんと、8:00~10:00だという。この時期、日本より数段寒い韓国で、なんと夜8:00~10:00までという時間帯。ナイタースキーという言葉はあるものの、どう考えても、2時間立ちぱなしの選手には拷問のような時間になる。日本の報道でも、“極寒の開会式”という報道は多く見受けられた。
しかしながら、なぜ8:00~10:00にわざわざ開会式を行うのかを追究した報道は極めて少なかった。あえてあげれば、このコラムである。
同様、室内リンクで行われ、冬季五輪でも最大のエンターテイメントである。フィギアスケートの開始時間は、これまた異常な10:00~
韓国と日本の時差は同じなので、日本でも10:00~となる。しかし、時差が同じなだけにこの異様さはより深刻さを増してくる。朝早くからの気象情報を見ている人間にはおわかりだろうが、朝5時頃、東京が夜明けとなって空が白みかけても、大阪や広島は真っ暗である。地球は東側から明るくなってくるので当たり前だ。
このやって考えると、なんとフィギュアスケートの開始は、“アサイチ”なのである。僕たち感覚で言うと、朝の一時間目の授業だ。
この奇妙な競技日程は、他の種目にも見られる。
一度クリックして開いて欲しい。ほとんどの人気競技の予選開始が10:00。決勝は夜の9時頃である。
しかも、人気種目の中で、14:00~18:00の一番スポーツっぽい時間帯(大相撲をやる時間)にはほとんどの競技が行われない。
どうしても、出来ないアルペン競技だけが、14:00から決勝開始となっている。
それはそうだろう。夏冬を通じて、一番危険だと思われるアルペンの滑降を夜に決行することだけは無理だ。ワタシは、一度だけ白馬にある某スキー場で、滑降用に整備されたゲレンデを滑ったことがあるが、そこは鏡のようにツルツルに磨かれた斜度25度のアイスバーンで、死ぬかと思った。絶対に、アルペン滑降は、オリンピック競技の中で一番危険な競技である。
この全く不自然な競技日程の理由を、先のリンク先ではこのように説明している。
<貼り付けはじめ>
アメリカでは三大ネットワークの1つ、NBCが独占放映権を持っている。その放映権料は巨額で、国際オリンピック委員会(IOC)にとって最大のスポンサーと言ってもいいくらいだ。 午前10時から、という競技スケジュールは、州によって異なるが、おおむねアメリカのゴールデンタイムにあたる。つまり、NBCの意向が、競技スケジュールに大きくかかわっていると見るのが妥当だ。
過去にも、同様のケースはあった。1988年のソウル五輪で陸上の決勝が午前中になり、2008年の北京五輪では競泳や体操が午前中から決勝が行なわれるスケジュールとなった。
放映権料は、IOCのみならず、各競技団体などにも配分される。だから競技団体も公然と批判することは難しい構造がある。
<貼り付け終わり>
つまり、アメリカのテレビ局が資金力(提供先はスポンサーであるグローバル企業)にものを言わせて、オリンピックの競技時間を取り仕切っているのだ。札束でほっぺたを叩いているのとおなじことなのだ。
ここで、検証のために、アメリカのNYとの時差を調べてみる。
https://time.artjoey.com/jp/usa.htm
日本(韓国)の10時が、NYでは夜の9時、日本(韓国)の夜9時は朝の8時、NYの真夜中は、日本や韓国の午後の時間帯となっている。
これが、今の世界の縮図なのだ。
1998年 日本で行われた長野五輪での画像を見て欲しい。
女子モーグルで初めて冬の五輪メダリストとなった、里谷選手の歓びの瞬間も、スキー団体優勝の瞬間も、すべて昼間である。
平昌五輪では、これらの決勝は、モーグルもジャンプも21:00~である。
これが、選手ファースト、観客ファーストといえるのだろうか?
すべてNY(ニューヨーク)ファーストであり、アメリカのゴールデンタイムファーストであり、スポンサーファーストのなれの果てなのである。
これが、グローバリゼーションなのだ。世界の一体化、地球規模動き、などと無表情に訳されたこのグローバリゼーションとは、「金の力で、すべて解決する」ことであり、「勝ち組が世界を仕切る」ことであり、「カネを出すから言うことをきけ」である。
そもそも、冬季オリンピックは、山岳ヨーロッパのどってことない小さなリゾート地で行われていた。
グルノーブル、シャモニー、アルベールヒル・・・・
今では、大都市でないと開催できない状況である、トリノ、バンクーバー、次のペキン。規模が拡大されていくのはよいことではある。でも、その陰には常に、“消費に踊らされる世界”“大企業に踊らされるメディア”“儲け主義のIOC”の陰がつきまとっている。
さあ、日本の勝負の時だ。
2020年 陸上100mの決勝は、日本の財力資金力のすべてをつぎ込んで、日本時間の20:00からにさせよう。NYの野郎どもには、朝7時に見させたい。
こうやって地道にどんな分野でも、戦わないと、アジアはいつまでもアメリカの属国のままである。