選挙とは何か2 |
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2015年 11月 21日
全国の毒舌ファンの皆さま、おはようございます。 Tommyセンセです。 ということで、我がかるた業界で、空前の驚愕ニュースがあった こととは、無関係に、前回の続き。 まず、日本人の選挙に対する認識を指摘した。「選挙」とは、選ぶことではなく、落とすことが基本である。これは、古代ゲルマン人の部族組織から続いている伝統で、 「些細なことは、王に任せる」 「重要なことは部族全員で決める」 「王が大きなミスをしたら、みんなで王の座から引きずりおろす」 という基本の政治システムを、合法化して平和裏に行うことを目指したのが「選挙」である。だから、まずは「落とさなければいけない」のである。そのために、数学的にはダメダメな小選挙区制を、伝統的に維持していることを前回書いた。 次は、比例代表制である。 比例代表制は、小選挙区制度の最大の欠点である、「少数意見に冷たい&死票が抜群に多い」という現象を、まったくゼロにする選挙制度である。教科書をよく読むと、比例代表制のところに「死票」という単語はない。理由は、投票数=支持率となるからであるからだ。したがって、数学的に厳密なドイツなどは完全比例代表制を採用している。ただし、完全比例代表制を採用すると、どうしても少数政党乱立、過半数を超える政党なし、という状況が生まれるので、連立政権になりやすい。たしかに現在のドイツは連立政権のはずだ。 だから、衆議院の小選挙区300区、比例代表区180人の現行システムでは、小選挙区による政権交代と比例代表区による少数政党乱立が同時進行で起きているのである。 つまり、日本の今の政治状況は、選挙制度が作り上げているものであって、ここの政党の性格によるものではない。 ところが、比例代表制には、「個人に投票できない」という最大の欠陥がある。やはり、「選挙」は個人に入れたいものだ。各政党の思惑だけで議員を人選してもらっても、それでは選挙とは言い難い。そこで考えられたのが現行の参議院比例代表制(比例代表並立制?)である。この制度は、支持する政党名を書いてもいいし、個人名を書いてもよろしい。両方の票をまず集計して政党の議席数を確定し、あとは個人名投票の上位順に選ぶだけだ。おそらく、この比例代表並立制が、数学的に考えられうる最上の選挙システムだろう。ただし、この制度を悪用することも可能で、例えば福山雅治が民主党で立候補したらおそらく民主党の比例代表完全制覇の道が見えてくるかもしれない。今なら北斗晶でも票は増えそうだ(闘病生活頑張ってくれ)。 そして、このような選挙システムをしっかり勉強して(というより、この選挙システムを作り上げた)、小沢一郎が早くから構想していたのが「オリーブの木構想」である。「オリーブの木」とは、イタリアで生まれた「反与党連合」のことで、野党が共闘して一つの政党を作り出すことだ。 つまり、比例代表制度における、「政党名」を統一することで当選者数を伸ばし、あとは、個人名の得票数で順位をつけようというものである。 次回の国政選挙は、この制度が使える参議院選挙である。 自民党支持率が40%前後である現状では、反自民の勢力を結集するためには、この構想しかない。この野党統一連合こそ「ひきずり降ろすため選挙」という本質を具体化したものである。 また、この頃共産党がリーダーシップをとって、訴えているのが「野党連合」である。これも、全然不思議な話であって、「小選挙区」制度で、勝つには「野党候補一本化」しか方法がない。野党が「参議院選挙区(多くが小選挙区制)」 で勝つにはこれしか方法がない。候補者の乱立は、小選挙区において最悪の戦略である。 このような、選挙システムと政党政治の関連性をしっかり勉強しているのが、小沢一郎であり、志位和夫共産党委員長であるのだ。 なぜ、岡田さんや細野さんや前原さんという民主党首脳は、政党を分裂させることばかり考えて、野党を一緒にすることを考えないのだろう。特に岡田克也氏は、過去に「選挙で大敗」したときの党代表である。「政治は選挙が命」であることを知らないのだろうか? もう一度最後に言うが、「選挙とは引きずりおろす制度」なのである。 政治 ブログランキングへ 高校教育 ブログランキングへ
by tommyjhon
| 2015-11-21 05:44
| 現代社会の授業
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