センター試験後の大学選び |
ということで、専門的な、大学入試の続き。
前回、センター試験で必要以上に動揺してはいけないと書いた。時期を外しているのかも知れないが、大学選び(特に国公立大学)について書く。
普通の受験生は、すでに多くの願書を集めているはずである。だいたいは4~5カ所の大学願書を持っているのが普通だ。結果的に前期1つ、後期2つした受験しないので、残りは無駄になる。そういう余った願書は、学校に持ってきて、使いそうな人にあげてしまいなさい。(これを「願書わらしべ長者」という)
国公立大学は、第一志望●●大学、第2志望△△大学、第三が・・・・第4が・・・という自分だけの序列を作ってはいけない。
正直言えば、些細な違いあれど、大きく考えれば、「東大」「京都」「旧帝大」「ブロック大」「駅弁大」「新興地方公立大」しかない。違いがあるとすれば、場所だけである。もし、さすがに東京と、四国(失礼を承知)とではこだわってもいいが、静岡と松本(長野)、名古屋と仙台、岡山と広島、なんかをこだわる必要は一つもない。
偏差値が一つ高いだけで、その大学へ行かないとダメという根拠は何もないのである。
受験生に、本当の意味でこだわって欲しいのは、「募集定員」である。
●●学部120人 と●●学部50人 であるならば、120人の定員を募集する大学の方が断然よい。国公立大学は、教授(を含めた先生方)の人数が学生数によってだいたい決まっている。例えば、学生10人に一人の割合とかだ。
だから、定員120人ならば、12人の専門家の教授がいるのに対し、定員50人ならば5人の教授しかいないことになる。つまりは、大学で専門的に研究しようとなると、自分の専門分野を12分野から選ぶのと、5分野から選ぶという大きな違いが発生する。
このように、大学で「選べる」ことは今後非常に大切になる(特に理系)。日本の大学で、東大が一番凄いのは、まだまだ、「大学で選ぶ」というシステムが残されているからだ。
では、なぜ定員に違いが生じるのかといえば、早めに人材を確保しておきたいという大学側の(予算上の)勝手な都合だけなのであって、学ぶ学生のことはほとんど考えてない。(これは事実)
そして、法学部なら法学部で定員の多さで大学を順位付けしてみると、これまた見事に「偏差値順」になっている。
やはり、受験生はよく判っているのである。
いい例が、「心理学」なのだ。
今、大学で、「心理学コース」とか「心理学科」などという看板を上げている大学はほとんどない。だから、かろうじて「教育心理学」とか「発達進学」とかの教育学部系を考える、一途な学生(考えの狭い、アホな)がいる。しかし、名古屋大学でも、東北大学でも、もちろんちゃんと「心理学コース」は存在している。それは、伝統的に「文学部」の中にあるのだ。
真面目で一途の生徒さん(特に女子に多い)は、「心理学」を勉強したがために、大学選びに相当苦労しているはずだ。
そして、「心理」という看板が見える大学を志望する(例えば、東京学芸大学)こんな生徒に、
「自分で決めた進路なのだから、それを目指して頑張りなさい」とアドバイスする先生は、正直いって受験のプロではない。
「東大にも、名古屋にも、東北にも、北海道でも、心理学は専門的に勉強出来るよ。君の学力ならば十分合格できる」と進めるのが正しいのである。
こういう大学ならば、もし、自分の勉強したいことが変化しても対応できるのだから・・・・・
こういう感覚は、進学校で10年くらい教員を経験しないと身につかないのだよ。